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【教材作成】ポジティブデビアンスと参加型「物語づくり」を活用した栄養改善のSBCC戦略と教材作成(バヌアツ)

NAMは5~6月にかけて、大洋州のバヌアツ国でNGOセーブ・ザ・チルドレンが実施している栄養改善プロジェクトの社会行動変容(SBCC)戦略と教材作成を行いました。実施にあたっては、バヌアツで過去に様々な教材作成を行ってきたLittle by LittleスタジオのJulie Sauerweinさんとチームを作って取り組みました。


まずSBCC戦略の作成のために、対象集団の特徴、乳幼児の栄養摂取の実態、関連する知識・態度・信念、行動変容を阻む障壁や課題、動機付けや促進要因、そして現行の母子栄養事業に関する情報を収集するため、ベースライン調査およびバリア分析の報告書を検討しました。また、NGO、保健省、その他のパートナーが作成した既存の教材資料を精査し、それらに含まれる主要なメッセージを整理しました。これらの作業は、SBCC戦略の対象とする10の行動を選定する際の指針となりました。


次に、関係スタッフを対象としたSBCC戦略検討ワークショップを開催し、資料分析の結果を共有するとともに、SBCC戦略の定義や策定プロセスについて解説し、グループワークを通じて、対象とした10の行動のそれぞれについて、一般的な習慣、行動変容を阻む個人的・環境的障壁について議論を行いました。続いて、スタッフへの個別インタビューを通してより詳細な情報と理解を得ました。そして、対象地域コミュニティにおいて、プロジェクトのボランティア、母親、その他の家族、地域リーダー、および地域住民へのインタビューを実施し、グループワークやスタッフへのインタビューで得られた情報の妥当性を検証しました。また、この際すでにSCが実施したポジティブ・デビアンス世帯(他の課程と同じように貧しい環境にありながら子どもが元気で健康に育っている家庭)を訪問し、そのユニークな子そだての知恵を学びました。


このように戦略の下地作り作業を行ったうえで、物語の再構成を通じて日常的な食事やケアの実践を探る「コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ」が開催されました。25〜30名の参加者が集まり、身近な状況を題材とした物語を創作することで、日々の食事、衛生、そしてケア(世話)の実践について検討を行いました。まずファシリテーターが身近な状況やそこに生じる葛藤を提示しやすくするために、あらかじめ少数の予備的なシナリオ、状況を表したカード、そして登場人物カードが作成されました。これは文献レビュー、二次データの分析、および実施されたインタビューに基づき、乳幼児の食事、健康管理、衛生をめぐる問題や葛藤を大まかに描写したもので、固定された台本ではなく、結末や展開が参加者に委ねられたオープンなもとなっています。参加者は、本来の自分とは違う役回り(たとえば男性が母親、女性が父親、など)を演じ、途中で物語が問題や葛藤(例として、朝の忙しい時間に母親がたくさんの子どもの世話をしながら食事作りや水汲み、火起こしなどで母乳育児に手が回らない、など)になったところで、他の参加者に自由に意見を述べてもらったり、自由に役を演じてもらったりします。この時に、「珍しい工夫のしかた」や、「うまい解決策」がでてくることがあります。ワークショップの様子はすべて記録され、そこではなされた内容を分析してSBCC戦略に生かせるものを抽出していきました。


コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ
コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ
コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ
コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ

コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ
コミュニティ・ピキニニ・カイカイ・ワークショップ

以上のプロセスを経て構築されたSBCC戦略をもとに、その実践に必要な教材を現在Little by Little スタジオが作成しています。フリップチャート、ポスターが中心ですが、栄養教育に活用できる絵本も検討中です。今回の参加型物語づくりを通したポジティブ・デビアンスの要素を活用した教材作成のプロセスは、今後何かの形で改めて共有していければと思っています。


作成された教材の一例
作成された教材の一例


 
 
 

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