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 「Professional Short Course in Nutrition in Emergencies(NIE)」

 

緊急人道援助の現場で必要とされる栄養に関する知識・技能を学ぶため、研修コース「Professional Short Course in Nutrition in Emergencies (NIE)」(開講期間:2015年10月5~16日)を受講しました。学んだ知識や技術を日本国内のNGOや国際援助関係者に還元することで、最終的に国際栄養を専門とする人材育成に寄与することをテーマとました。緊急人道援助における栄養改善活動に関する知識と技能を獲得し「現場で栄養不良に対処するために何をどうしなければならないのか」を実践的に考える力を養うとともに、他の人に対して学んだことをわかりやすく且正確に伝える力を身につけることが大目的であり、具体的な目的は以下ように設定しました。

 

1. 栄養不良の規模・タイプ・深刻度を正確に測定・分析し、これを意思決定に活用するための方法を習得する。

 

2. 栄養状態の悪い子どもや女性を対象にした治療、栄養回復、予防のための活動を、様々な緊急の現場の状況やフェーズに応じてどのように組み立て、また計画するのか、について理解する。

 

3. 緊急の現場で実施される栄養事業の適切性や質について、客観的にモニタリング評価するための方法を習得する。

 

4. 水、教育、農業などのマルチセクター連携と国際機関とのコーディネーションの仕方を理解する。

 

5. 本研修を通して学んだ知識を日本の他のNGOの人材に普及するための、効果的な研修実施方法を学ぶ。"

 

プログラム

 

10月5日

Module-1:Introduction to NIE (参加者と講師陣の紹介、コース背景・目的・概要の紹介)

Module-2:Causes of Malnutrition (栄養不良の原因について理解を深めた。パキスタン地震のケーススタディに基づく演)

 

10月6日

Module-3:The Humanitarian System (UNOHCA講師によるセッション。緊急援助における関係機関の役割や、緊急援助のプログラムサイクルなど。ハイチ地震をケースから教訓抽出する演)

Module-4a:Introduction to Humanitarian Standards (人道支援の5原則である、「人道」、「公平」、「中立」、「独立」につい)

Module-6 :Emergency Preparedness (防災の基礎概念として、災害のリスク=外力(ハザード)×脆弱性. ÷社会の防災力(キャパシティ)の関係)

 

10月7日

Module-6:Emergency Preparedness (各国の事例をもとに、様々な災害の防災のための分析を演習)

Module-4b:Introduction to Humanitarian M&E (モニタリング評価の基礎的な概念とDAC評価5項目について)

Module-5:Rapid Assessment (緊急援助初動におけるInitial Rapid Assessmentの方法について演習。初動から時系列に行われるより包括的なアセスメントや調査の流れ)

Module-5:Surveillance and Early Warning (調査とサーベランスの違い、またサーベランスを構築するときの必要原則)

 

10月8日

Module-7:Introduction to Nutrition Surveys (SMART調査の目的、手法、指標、サンプリング、調査プロセス、分析、解釈など。ENAソフトウェアを使った分析実習)

 

10月9日

Module-8: Food Security and Livelihoods (フードセキュリティの概念とAvailability-Access-Utilization(AAU)の原則、生計とフードセキュリティの関係性、、フードセキュリティ調査で一般的に行われる栄養多様性スコア(DDS)の実習)

Module-9:Food Assistance (栄養改善のための緊急食糧支援として、食料配布、現金給付(Cash Transfer)、バウチャー、について、それぞれの内容、目的、実施するうえでの条件、食糧配布の原料の構成を学ぶための演習やNutValソフトウェアの実習)

 

10月10日

Module-10:Micronutrient Interventions (様々な微量栄養素欠乏の症状、原因、対策)

Module-11:Advocacy (緊急援助における栄養対策のアドボカシーの重要性、原則、プロセスの紹介。各国の実例を元にアドボカシーの演習)

 

10月11日

資料整理

 

10月12日

Module-12:Community Management of Acute Malnutrition (Management of SAM)重度急性栄養不良の概要、判定方法、原因、症状、対策。CMAMプログラムの課題

Q&A on SAM management (Skype conference)遠隔地のリソースパーソンをスカイプで繋ぎ、SAM対策の最新情報や課題

 

10月13日

Module-13:Management of MAM (中度急性栄養不良の概要、判定方法、原因、症状、対策。CMAMプログラムの課題。様々なタイプの栄養補助食のサンプルの紹介。

Module-14:Infant and Young Child Feeding in Emergencies (緊急援助における幼児の摂食(母乳育児と離乳食)の重要性や特殊性、緊急援助に母乳代替品のリスクとこれに関する国際規)HIV and Ebola in emergency (Skype conference) HIVエイズやエボラ出血熱の患者の栄養対処に関する最新のプロトコール

 

10月14日

Field visit and exercises (バンコクから車で約2時間のAng Thong県Pa Mok郡Phong Pheng村を訪問し、フィールド調査演習(子ども栄養状態の測定、世帯質問調査

 

10月15日

Emergency Simulation (緊急事態発生のラジオ放送からはじまり、発生直後の初動において当該特政府、保健省、ユニセフ、WFP、NGOなどのチームに分かれて、初動調査からFlash Appeal作成まで一連のプロセスをシュミレーション演習)

 

10月16日

Emergency Simulation and Field visits Feedback (フィールド実習とシュミレーション演習の結果を報告し、振り返り)

Post Test (Pre-testと同じ内容)。

Professional plan (参加者それぞれが今回の学びを今後どのように生かしてゆくか発表)。

Evaluation

Closing ceremon

 

 

 

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