特定非営利活動法人

栄養不良対策行動ネットワーク

研究調査 (Barrier Analysis)

 

2018年はじめに栄養調査を実施したウガンダ北部、および今回新たにナイジェリア北部ボルノ地区の2箇所において栄養改善のための行動変容(BCC)調査を実施しました。栄養不良を予防するための知識を伝達するだけでは母親の行動を変えることはできません。今回の調査は、なぜ母親が行動を変えないのか、その障害を見つけ出す手法「バリアアナリシス(BA)」を行いまた。BAの結果から、例えば母親は母乳や離乳食育児について知識は持っていても、祖母の意見の影響を強く受けてたり、父親のサポートがないことなど、そして母親のストレス、その他様々な原因で知識を行動に移すことが出来ないことが分かりました。この結果をもとに、「誰に対して、何のメッセージを、どのように伝えるか」を行動変容戦略計画にまとめました。

 

 

なぜ行動変容が必要なのか?

NGOや国際機関が取り組む様々な開発課題のほとんどは、人々がその行動を変えることで予防、改善でるといえます。栄養問題も、母親や家族の育児行動をほんの少し変えるだけでその効果は膨大な可能性を持っていることが研究や実証調査が示しています。

 

どのようにしたらうまく行動を変えることができるのか?

開発問題に取り組むわれわれは、「その行動をとるとどんないいことがあるか」につぃうて教えることを考えがちですが、はたしてそれが本当に最良の方法でしょうか?このような知識普及型のコミュニケーションで行動を変える場合もありますが、そこばかり強調しすぎてしまい、その背後にある他の要因を見過ごしてしまっていないでしょうか。「なぜ人は知っていても行動をかえられないのか」、そこを理解することが必要です。

 

行動科学の理論では、人が行動は急にかわるのでなく、無意識⇒意識⇒準備⇒行動⇒維持、という段階を経て徐々に変わるとされています(Stage of Change)。そして、それらの段階でいろいろな障害が次の段階に進むことを妨げていて、時には前の段階に後退したりもすることがわかっています。一方、私たちの行動は自分自身の要素(知識、技術、習慣、自信など)と周囲の環境要素(家族、友人、コミュニティ、社会全体の考え方、政治、経済状況など)によって影響を受けて形作られていることもわかっています。

完全母乳育児を例にとって考えてみましょう。

無意識(または考慮以前)の段階にある母親は、自分の現在の行動(乳児に水や食べ物を与えていること)がまったく問題ないと思っていますので、こういった人に対しては啓蒙・啓発活動によって「問題に気づかせる」ことが必要です。次に、意識の段階にある人は、現在の行動の問題に気づいてはいるものの、実際に行動をとることによる代償(たとえば、母乳以外は与えないと自分の時間がとられる、など)を不安要素と考えて躊躇しています。多くの人がこの段階でとまってしまい、次に進めません。この段階にある人にとって、母乳だけの育児による利益が代償よりも大きいことを説明し、不安要素を払拭して一歩前に踏み出す自信をもたせることが必要です。次の準備段階では、すでに具体的な行動をとりはじめます。たとえば、母乳だけでそだてている人の話を聞いてみたりなどです。この段階の人は具体的な母乳のあげ方のノウハウbアドバイスやサポートグループなどが有効です。行動の段階の母親は実際に完全母乳育児を始めています。でも、子どもが泣いてしまう、母乳が十分に出ない、などの困難に直面してやめてしまう母親も多いのが実情です。この段階では、すでに始めた行動を褒め称えたり、母乳育児の困難を乗り越えるための問題解決支援が有用です。

 

このように行動変容は、人によって様々な段階にあり、それぞれの段階でいろいろな影響を受けて、時に行ったり来たりしながら進んでゆくことがわかります。そこで対象地域で聞き取り調査を行い、母親はどのあたりの段階にいることが多いのか、またどのような障害が原因でそこに留まってるのかを調べようというのがBarrier Analysisで、調査からわかったことをもとに、適切なメッセージと対象者を見出し、母親個人または周囲の環境に働きかけ、障害を取り除くことで行動変容を促そうというものです。

ナイジェリアのボルノ地区はボコハラムの影響で国内避難民となっている人々が多く、また栄養不良率も非常に高い状況下、セーブ・ザ・チルドレンが2014年から栄養事業を行っています。しかし、母乳や離乳食による育児行動の指標数値は改善が遅く、その要因を調べる必要がありました。調査の結果の一例として、完全母乳育児について母親はその重要性について意識があっても、父親の意見の影響で実行できないケースが多いこと、またストレスや食糧不足から母乳が出ないと感じている母親が途中で諦めてしまうことも多いこと、などがわかりました。他にも、出生後一時間以内の授乳、子どもの離乳食の多様性や食事頻度などについての有用な調査結果が得られ、今後の栄養改善の行動変容コミュニケーションの提言を行いました。

ウガンダでの調査は、母乳育児や離乳食の行動に加え、手洗い習慣も調べました。対象地域では以前からトイレ近くにTippy Tap(簡易式手洗いツール)設置が普及していたこともあり、大部分の母親はトイレのあとの手洗いをしていましたが、食事前にはうっかり忘れてしまっている場合が多く。結果としてばい菌のついた手で子どもに食事を与えるため下痢症になってしまうことがわかりました。したがって、食事前の手洗いを思い出させるポスターや視覚教材が提案されました。

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