気候変動の影響とリスクはますます複雑になり、その対応がより困難になっています。
同時に、世界は飢餓とさまざまな形態の栄養不良という課題に直面しており、世界人口の30%以上が微量栄養素欠乏に直面し、8億2,800万人が栄養不足、6億7,600万人が肥満となっています。
栄養不良は、子ども、女性、先住民族、移民、難民などの弱い立場にある人々に特に影響を与えます。 一方、気候変動は良好な栄養状態の基礎となる食品、食事、健康、社会的保護、水と衛生システムに影響を与え、さまざまな要因を通じて世界の食料安全保障と栄養をさらに脅かしています。たとえば、気候変動は世界的な作物の生産性の低下、食料価格の急激な上昇、および栄養素レベルの変化をもたらしています。 また、一部の作物は異常気象により農業と食品の損失が増加します。 同時に、私たちが食べる食べ物や食事は気候変動に影響を与えます。 食料システムは、温室効果ガス (CO2、メタン、亜酸化窒素など) を大気中に直接放出し、土地利用の変化を引き起こして追加の CO2 を放出し、森林が伐採され、湿地が排水され、土壌が耕作されると炭素吸収源の減少を引き起こします。
NAMがウガンダで実施している栄養改善・生計向上(NILE)プロジェクトの対象住民の多くは、生計の選択肢が非常に限られており、最低限の生活必需品のための収入と燃料確保のために、周辺にある樹木伐採に頼らざるを得ない状況にあります。 そのため、木炭生産の増加、レンガ製造、薪炭材、農業目的での土地開放により 周辺の木材資源は枯渇しています。これは、世帯の収入源を圧迫し、調理に必要な薪の不足、そして女性やこどもは以前より遠くに薪を取りに行かなくてはならなくなるため育児の時間が少なくなる、様々な形で栄養不良に負の影響をもたらし、地域の持続的な開発を妨げています。NAMは、栄養状態を改善するために、地域のボランティアを通した保健・栄養教育や行動変容のための活動だけでなく、今後女性の生計手段を確保や気候変動の影響を受けにくいかたちでの家庭菜園・小型家畜飼育を支援してゆくことで、環境と栄養不良の負の連鎖を断ち切ることを目指しています。
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